あたしはきっつく眉根を寄せてそいつ―――たっちゃんを睨みあげ、「知らんわボケ」と冷たく言い放った。






「あほばっか抜かしとんな。


っちゅうか、寄って来んといて。

3メートル以上離れて歩いてや。

話しかけんのもあかんで。


あんたみたいな阿呆と知り合いや思われんの恥ずかしからな」






一気にまくしたてたあたしの冷たすぎる視線をものともせず、たっちゃんはへらりと笑って、






「あっは~ミサキ、いけずやなぁ~」






と不可思議なメロディ付きで言った。




まともに取り合っても疲れるだけやと悟り、あたしは口をつぐんだ。