「あんまり自分を責めないで?
夏恋ちゃんが違う人を意識したって知ったとき翠は怒った?」





「いいえ…
仕方ないって言ってくれました」











翠くんパパ…さっきとは別人みたい


雰囲気が翠くんそっくり











「だったら翠はわかってるよ
人間の気持ちは変わるものだから本当に仕方ないことだよ」





「でも…友達としてって言われて素直に嬉しかったんです…友達に戻れるんだって
でもそれって最低なことだと思って…」





「そんなことないよ
夏恋ちゃんが友達としていてくれて翠は救われてると思うよ」





「すく…われてる…?」





「うん、救われてる
きっと夏恋ちゃんは正義感が強いんだね
そんな夏恋ちゃんに惚れたのかもね」











確かに夏恋ちゃんは正義感が強い


だから責任を感じて何も出来ないでいるんだ











「でもね?気にして何もしない方が翠に失礼だと思って?」





「…え?」











夏恋ちゃんは弾かれたように翠くんパパをみる




見られた翠くんパパはニコッと微笑む











「だって友達としていたいって思った相手からよそよそしくされたら嫌でしょ?」





「嫌です」





「それと、もし翠が違う人好きになって夏恋ちゃんと別れて…でも夏恋ちゃんに悪いって思って、夏恋ちゃんは何とも思ってないのに翠が責任感じて何も進めなかったら嫌でしょ?」












なるほど…逆の立場だったらってことか…





誘導がうまいな翠くんパパ