[結苺side]



三月に入り

郁己先輩の卒業式が間近に迫ってきた時



最近薄々気づいてたんだけど
それが明らかになった











「翠くーん
ちょっと話があるんだけど」











私が夏恋ちゃんのことで相談したくて
呼び止めると、翠くんは顔を見もせずに言う











「ごめん無理」











うん、やっぱり避けてると思う





いつからだろう?


急に態度がよそよそしくなったんだよね






私なにかしたかな?なんて考えても分かるわけもない











「な、なにかしちゃった?私」





「別に
じゃあね」












あ、じゃあね


またね…じゃなかったんだ







私は臆病だから
ただ背中を見守るしか出来なかった