「夏恋」
一歩一歩踏みしめながら夏恋に近づいて行く
何かを察したのだろつ
夏恋は立ち上がって俺に向き合う形になる
「俺、夏恋のこと大好きだよ」
「えっ…」
伝えたらきっと戸惑う
でも今だから伝えたい
気づいてしまった今だから
「ずっと未練があった
ずっとずっと大好きだった。今でも大好き
でも、それは恋愛感情じゃないって気付いたんだ」
「……」
夏恋は黙って聞いてくれる
オレンジ色に染まる夏恋に伝える想い
「夏恋は俺に恋を教えてくれた特別な存在だなって思う
いつからか…夏恋の想い出と一緒に結苺と過ごした想い出が重なるようになった
そして結苺と井月先輩が話しているのでモヤモヤしてて
彼女がいるのに気付いたんだ
結苺が好きだなって」
そう、俺は結苺が好きになってたんだ
あの優しくて暖かい笑顔
月みたいに包み込んでくれる優しい光
それを俺だけのものにしたいって
そんなこと思ったんだ
美雨には申し訳ない
でも気付いたことだからもう後には引けない
「そっか…やっと気づいたんだね♪
私すごく嬉しいよ」
そう言って夏恋と俺は向き合ったまま両手を繋ぐ
懐かしい夏恋の手
でも俺はもうこんなにも落ち着いているんだ
「ありがとう翠くん
私ずっと応援してるよ♪」
「うん、ありがとう夏恋
応援無駄にしないように頑張る」
「うん…」
そして俺と夏恋は同時に手を離す時に
同じ言葉を言った
「大好きだった
ありがとう」



