「誰もおらんの?」 「みたいやね。呼んでみよ」 母がそろっとドアを開け、「すみません」と声をあげた。 すると、中から腰の曲がったお爺さんが出てきた。 額に刻まれた深い皺。 気難しそうな目元。 私は固まってしまった。