空になった君へ。



母と私は博多の住宅街の通りを歩いていた。


「ここやね」


母がひとつの建物の前で足を止めた。


そこは、家というより小屋に近い建物だ。

茶色のすすけた壁にドアのガラスには


『シェットランドシープドッグ売ってます』


と手書きで書かれている。