俺は、そう言って背を向け、杏奈がいる可能性が高いクレープ屋の方へ走った。
携帯の時計を見ると、既に9時近く。
杏奈が帰っているなら俺にも何かしらの連絡が来るはずだから、まだ帰ってないんだろう。
そんなことを考えながら走っていると、後ろからものすごい威圧感。
危機感を感じて後ろを振り向くと、さっきまでうじうじしていたはずの田口が全力疾走中。
………やっぱこいつ、あほだな。
「あばよっ!!光輝!また明日な!!」
俺を追い越すときに笑顔でいうから、俺は片手を挙げた。
「おう!またな、慶太!」
そして、慶太はすごい速さで走っていき、あっという間に見えなくなった。
俺はクレープ屋へ行き、中を覗く。
……いねーし。
周りを見てみようと、クレープ屋の裏の道に行ってみると、さっき帰ったはずの慶太が俺の前を走り抜けた。



