『……いろいろ。ね。』
「あれ、まさか。聞いてた感じ?」
そう言った田口の笑い方は、いつもの元気な笑い方じゃなくて。
気になってしまった俺は、素直に頷いた。
「あー、まじかぁ。カッコ悪いとこ聞かれちゃったな。」
『なにが、あったんだよ。』
「えー、普通そこ聞くー??」
へらへら笑う田口を真顔で見つめると「分かったよ」と呟いて笑うのをやめた。
「キスすんの拒否った。それも、もう5回目。さすがに愛想つかされちゃった。」
『…はぁ。なんでまた。キスくらいすればいいじゃん。お前馴れてんだろ?』
「ちょっと酷くない?俺、あーゆー女の子とはキス以上はしないって決めてんの。今までキスしたことあんの1人だけだから。」
淡々と言い放つ田口に俺は正直に驚く。
……人は、見かけによらないものだな。
『…で、そいつが原因で愛を信じられないってか。』
「そうそーう。俺は愛も信じられない悲しいやつなんですよー!」
やけくそになった田口は、壁にもたれ掛かってぐれた。



