くっそ、あんのばか田口。
こんなとこでまで、俺をイラつかせるとは。
そのまま歩いて去ろうとしたとき、後ろから聞こえてきた声に俺は自然と足を止める。
「本当に悲しい人だよね。愛を信じられないなんて。」
多分、相手の女がやけくそで言った言葉。
それでも、俺は立ち止まってしまった。
……あの、女好きの。
常時、愛を求めているようなあいつが。
愛を、信じられない……??
気になったが、俺は慌てて首を振る。
今は、杏奈だ。絶対に見つけ出す!!
そのとき、後ろでなにかを叩くような激しい音が響いた。
「……ってぇ。」
女が、田口をひっぱたいて走っていったようだ。
「…仕方ねぇじゃん。信じられねぇんだから。」



