俺は家を飛び出し、町へと走った。
杏奈に電話を掛けながら走るが、やっぱり出ない。
……あのばか、なにしてんだよ…!
町中に入り、店の周りを走って探す。
でも、どこを見ても杏奈の姿はなくて、俺は立ち止まる。
あ!そういえば、クレープ屋とか言ってた!
それを思い出した俺は、クレープ屋の方へと走り出す。
そのとき、通りすぎた路地裏から男女の争う声が聞こえた。
…まさか!!
俺は、さっと引き返し、一度通りすぎた路地裏へ入る。
「最低っ!!」
「…俺には愛を求めるなって言ったはずだろ。」
そこで、やりあっていたのは見知らぬ修羅場。
……くっそ、紛らわしいことしやがって。
イラついたので、横切ってやろうとずんずん進む。
進むにつれて、見えるようになる男女の顔。
その男の顔を見て俺は、無言で引き返した。



