「…ちょっと!!お兄ちゃんのバカ!アホ!!」
急に幸に殴られる俺。
散々殴ったと思ったら、泣き出してしまった。
え……なんなの本当に。
さすがに驚いた俺は起き上がって頭を掻く。
『……なにこれ。いまいち分かんねーんだけど。』
俺は、目が合った裕太に呟く。
裕太も焦っているようだったけど、ひと息呼吸を置いて、話し始めた。
「杏奈が、帰ってこねーんだ。電話しても出なくて。
それでここ来たんだけど、母さんたちに光輝とは別で帰ったって聞いて。」
『……は?今何時だよ?』
「8時過ぎ。でもいつもこんなに遅くないし…」
『はあ!?』
俺はすくっと立ち上がる。
『探してくる。』
「待って光輝!俺も……」
『お前はここにいろ。幸、泣いてるから。』
そう言うと、裕太はちらっと幸を見てから頷いた。



