顔を上げてはっきりと。
好きに決まってんだろ!!
と、言うつもりだった。
「ーーーっ」
だけど、思った言葉は全く出てこなくて。
だんだんと顔ばかりが真っ赤になって。
私は黙って、繋いでない方の手で、光輝とお揃いのピースを作る他なかった。
だけど、その瞬間に再び女子が黄色い叫び声をあげて。
隣を見れば、光輝も赤くなっていた。
「…反則なんですけど。キスしていい?」
そんなことを言ってくるから私は全力で手を振り払って、言う。
『馬鹿じゃないの!?調子のんな!!』
怒った私から逃げるように走り出す光輝に、それを追う私。
途中でその状態を冷やかす声に気付き、恥ずかしくなった私は、葵の隣に腰を下ろしてうつ伏せた。
すごくいい席で、窓際後ろから2番目の席。
景色も最高だった。
でも、後ろの席は光輝だったようで、すぐに、光輝がその席にやってきてカバンを置き、私の顔を前から覗き込む。



