「や、あの。」
口ごもる光輝に永沢さんは笑った。
「うまくいったんでしょ?わざわざ自慢しなくてもいいよー。」
言いながらお友達にメントスを渡して、私たちの方にやってくる。
『な、永沢さん…あの時は。。。』
頭の中に、体育館裏で慰めてもらったできごとが浮かぶ。
それが伝わったというように、微笑んで頭をなでられた。
瞬間、光輝がむっとしたのが伝わる。
その様子が見たかったのか、永沢さんはまた笑って今度は光輝をなでた。
「安心した。」
小さく、そう呟いてからすぐにいつもの調子に戻る。
「でも、喧嘩したりー泣かせたりーお互いがばかすぎたり?したらいつでも俺のチャンスだと思ってるからね!覚悟しておいてね!」
にこーーーーと笑うのに、睨むような光輝。
そんな2人がおかしくて私は笑いを溢した。
『永沢さん、ありがとうございました!』
驚いたように目を見開く。
それに同調して、光輝も言った。
「むかつくけど、永沢さんのおかげだとは思います。」
ぺこっと頭を下げて私の手をつかむ。
「そんじゃ、失礼します!」
走り出す光輝に手を引かれて私もその場から立ち去る。
嵐のようにさっていった後輩を先輩は優しく見送った。



