「「なんか余計なこと言った!?」」


そして2人そろって私と光輝を睨みつけるから、また笑ってしまった。

笑ったのが気に食わなかったようで鞄を持って追いかけてくる。


「杏奈!逃げるぞ!」

『へっ!?うん!』


その瞬間、光輝が私の手をとって走り出した。

それを追うように慶太くんと葵も走り出す。


「「まてーーーーー!!」」

「『追いついてみなっ」』


全速力で校庭まで降りて、4人そろって校門で息を整える。

そして同時に笑い出す。


その様子を教室からクラスメートが見ていたことなんて誰も気づかなかった。


「あいつら、本当仲良いよな!」

「だよねっ!校庭全力ダッシュって青春すぎ!」


クラスの話題になっているなんて思いもよらない私たち。


「んじゃ、俺ら今日はこっちだから。」


不意に光輝に腕をつかまれいつもとは逆方向につれられる。


「はいはーい!仲良くね!」


それににこやかに返事をするのは葵。