好きになんてなるわけねーだろ!!!



杏奈は、先輩の姿を見て目を見開き廊下へ戻る。

が、すぐに顔をのぞかせて、俺と目が合うと勢いよく飛び込んできた。


「光輝!?どうしたのその傷!?」

『あー…こけた。』


俺がぼそりと呟くと杏奈は「そう」と言って勢いよく俺の制服のズボンを捲し上げた。

ぶかぶかで買った制服は見事にするっとふとももまで上がってしまって、その思い切った行動を、先輩は驚いたように見つめる。


「ほら嘘だ!!こけたなら足にも傷があるでしょ!誰にやられたの!?」

『だ、本当にこけたんだって!』


さっきまで強気だった俺が、女子生徒に圧倒される姿を見て先輩は小さく笑いをこぼして立ち上がる。


「あっ!あなたエースの先輩ですよね!なにか知ってますか!?」

「うん知ってる。」

「ちょ、先輩…!?」


にこやかに答える先輩に俺は慌てて、杏奈は食らいつく。


「なにがあったんですか!?」


杏奈の勢いに先輩は動揺もせず、ぽんぽんと頭をたたく。


「知ってるけど、それは光輝から聞くべき。俺は言わない。」