『いや…同情って。』
「するの?」
逃がしてくれなさそうな先輩に俺は黙る。
『まぁ。少し。』
「えー、しちゃうんだ。」
聞いときながら適当な答えにまたむっとする。
みんなと一緒にはならないけど、助けてもくれない。
自分は関係ないと一歩置く先輩が読めなかった。
着替え終わった俺はサッカーボールを拭こうと雑巾を取った。
すると先輩も「あ、そっか」なんて言って雑巾を持つ。
「まじめだねー」
『ボールは拭きますよ。言われなくても。』
だって俺は、
「サッカーが好きだから?」
心をのぞいたみたいに言う先輩に『はい。』と答えた。
そこからはただただ無言でボールを拭き続ける。
この人いつ帰るんだろ。
と思っていてもいつまでもいて、ついに。
「こーうき!!」
杏奈が来てしまった。



