その言葉に、2年生は、一瞬戸惑いつつも返事をして出ていく。
「俺カラオケはパス。」
キャプテンはそんな風に言いながら部屋を出ていき、
1年生は、俺に声をかけようとして戸惑っていた。
俺は、そんな様子を見て笑顔を作り、行け、というように手をひらひらさせた。
それを見て、申し訳なさそうに部屋を出て行ってしまい、最後はエースだけが残る。
エースは、机にもたれかかって変わらず窓の外、サッカーコートを見ていた。
『行かないんですか。カラオケ置いて行かれますよ。』
言ってから、考える。
あ。先輩も俺を殴りたいのか。
考え方が自虐的になっていた俺はそんな風に思ってため息をこぼした。
「ん。俺カラオケとか興味ないし。」
そう言って近づいてくるから、いよいよ殴られると思って俺は固く目を閉じる。
しばらくして「はは」と笑い声が聞こえたので耳を疑う。
恐る恐る目を開けると、先輩が俺の目の前にしゃがんで笑っていた。
「俺は殴らないよ、殴る理由もない。」
言いながら殴られた顔を消毒して絆創膏を貼ってくれる。



