「光輝は本当にサッカー好きだよね!」
『んだよいまさら。』
サッカーボールの汚れにむかつく先輩を思い出しながら全力でこする。
「だって光輝が拭いたボール、めちゃくちゃ綺麗だもん!新品かよ!てくらい!」
「ほらっ!」なんて言いながら俺が拭いていたボールと自分が持っていたボールを並べる。
『うん。俺はサッカー大好きだから。』
自分に言い聞かせるように言った言葉に杏奈は満足そうに頷いてまたボールを拭き始めた。
「これは、先輩も光輝に感謝だねー!」
何気なく言われた言葉に俺は一瞬手を止める。
それはない。
絶対に。
喉まで出てきた言葉を慌てて飲み込み俺は笑った。
「だな!」
上手く笑えていたのか分からないけど、杏奈は楽しそうにボールを拭き続けてたから、大丈夫だったと信じたい。



