止まった足音に、おそるおそる振り向くと、まさかの人物。
『な、がさわ、さん……。』
問題の彼は、体操服を肩まで捲り上げ、いかにも運動できそうな服装で、驚いたように突っ立っていた。
「おーいっ!凌っ!!早くしろよ!!」
友達の呼ぶ声に、はっと肩を動かし、体育館に視線を戻しボールを投げた。
「…悪い!!俺、今ここで怪我した!つーことで!!」
「「「はぁあああ!?」」」
お友達の叫び声を振りきるようにドアを閉め、私のとなりに腰を下ろす。
『…え、や、永沢さん、いくらなんでも、無理がありますよ。』
ここ、怪我するようなことなにもないし。
「大丈夫だよ。今先生いないし。来たら、あいつらなら上手くやってくれるよ。」
『いや、でも……』
続く私の言葉を遮るように、永沢さんは私の頭を撫でて言う。
「心配するのは、自分のことでしょ?」



