『全然大したことじゃないよ。』
「うん。」
『本当に、光輝からしたらすごいショボいことでね。』
「うん。」
『すごく、どうでもいいことだと思うけど。』
「でも、杏奈にとっては重要なこと、なんだろ?」
その言葉に、私は覚悟を決める。
『……葵と、喧嘩したんだ。』
口に出した途端、涙が溢れだしそうになったのを必死で堪える。
『葵、生徒会に入れってずっとうるさくて。』
声が震えないように。
『私は、葵とは違って人前に立ってもなにもできないから断ったんだけど。』
泣きそうなのが悟られないように。
『ずっとずっと言ってくるから、私ムカついて。キレちゃったんだよね。』
光輝は、ずっと黙ったまま聞いてくれる。
『そしたら、ぜっ……絶交だって、言われちゃった。』
だんだんと嗚咽が混じってきて、それを誤魔化すように、私は乾いた笑いをこぼした。
『自業自得…だよね。』



