他人の幸せを最初から最後まで真っ先に願い続けた美生と共有した、思い浮かべる度に切なさと愛しさが胸をいっぱいにするあの秋。

あの時間がなければ、間違いなく今の俺は存在しなかっただろう。



出逢うべくして巡り逢った君がくれたのは、沢山の想いと、まっさらな愛だったんだと思う。



なぁ、美生。

あのとき交わした茜色の約束を、僅かでも果たせてるかな。

俺は、君が望んだ未来を生きられているかな。



大切な人達と一緒に少しずつ、一歩ずつ、歩いて行く。

君がくれた、険しく優しいこの道を。





──君は今、笑っていますか?





【END】