桜井の言葉にうんうん、と相川が頷き、俺達は顔を見合わせた。

まぁ……あの頃の俺達を知ってると、そう思う方が自然かもなぁ……。



「お前も早くいい人見つけろよ、桜井先生」

「うわ、嫌味。言われんでも明日には見つけてるわ」



こうやって軽口を叩ける気楽な関係が、まさか今日この日まで続くと思ってなかった。



高校3年生の秋、2人とは一時的に気まずくなった。

夢を持つ2人に嫉妬して、八つ当たりして。

だけど覚悟を決めて過去を打ち明けてからは、何でも話せるようになったんだ。



「桜井君、相川君。はい、お花」

「あ。ありがとう。ドレス、めっちゃ似合ってんで」

「えへへ、ありがとう」