「やっぱり……来ちゃったか」



震える体でゆっくりと振り向くと──



「み……お……?」



ペントハウスに座って、切なそうに笑う美生の姿がそこにあった。



なんで……。

だって美生は今日大阪に帰る筈で。

なのにどうしてこの場所に……。



「……出来ればもう会いたくなかったんだけど」



言いつつ、美生はゆっくりとペントハウスから降りてくる。

さっきの相川のように自分が置かれている状況を理解出来ずにいると、美生が再び小さく笑った。



「なんで、って顔してる」

「……っ」

「……なんでだと思う?」