翌日、4限の授業が終わってから、うちの学校の前で待ち合わせする約束をして家を出た。
ケータイは家出の際に置いてきたらしく、連絡をとる手段がないので、唯一場所を覚えているという学校になったのだ。
いってらっしゃい、と俺のパジャマを身に纏いながら笑顔で手を振った美生の姿を思い出しつつ、学校の門を通る。
昇降口で靴を履き替え、教室に向かう途中で──後ろから呼び止められた。
恐る恐る振り向くと、
「おはよう、綾瀬」
不自然な笑みを浮かべた担任が、そこに立っていた。
う、わ。
「進路調査票、勿論持ってきたよな?」
「……や」
「昨日の放課後も念を押したじゃないか」
そうだよ。
文化祭の準備が終わって帰ろうってときに呼び出されて、必ず持って来いってしつこく言われたんだ。
「何か目標とかないのか?」
「……特に」
「進学か就職かすら考えてないのか?」
ケータイは家出の際に置いてきたらしく、連絡をとる手段がないので、唯一場所を覚えているという学校になったのだ。
いってらっしゃい、と俺のパジャマを身に纏いながら笑顔で手を振った美生の姿を思い出しつつ、学校の門を通る。
昇降口で靴を履き替え、教室に向かう途中で──後ろから呼び止められた。
恐る恐る振り向くと、
「おはよう、綾瀬」
不自然な笑みを浮かべた担任が、そこに立っていた。
う、わ。
「進路調査票、勿論持ってきたよな?」
「……や」
「昨日の放課後も念を押したじゃないか」
そうだよ。
文化祭の準備が終わって帰ろうってときに呼び出されて、必ず持って来いってしつこく言われたんだ。
「何か目標とかないのか?」
「……特に」
「進学か就職かすら考えてないのか?」



