大きな罪悪感の傍ら、全部俺が悪いわけじゃない、なんて思ってしまう。



だって美生があんな風に突き放すから。

俺を真っ暗闇から引き上げておいて、手を離そうとするから──。



覚悟していた筈の別れを目の前に、取り乱して、自分を見失って、ぐちゃぐちゃな想いを押し付けた。



「……最低だな、俺」



自虐的に笑うことも出来ない。

息をすることも苦しくて、ただ世界は真っ暗で。



あぁこの感覚は──3年前のあのときに、よく似ている。





物音がしたリビングに立ち寄ることはせず、財布だけを持って家を出た。

特に行く宛もなかった俺は、ふらふらと町を彷徨う。