巡逢~茜色の約束~

桜井も担任も芹沢も他のクラスメートも……そして、多分俺も。

みんな笑ってる、そんな、色褪せることのない“今”が。



「奏多、綾瀬!写真撮ろうぜ」

「ええよー」

「……おう」



やっと見つけた気がする。

夢を絶たれ、ずっと見失ってたものを。

時計の針はもう、止まってなんかないんだ──。





文化祭も無事に終わり、夜。

グランドには沢山の生徒が集まっていた。



「後夜祭って何するん?」



桜井の問い掛けに、俺は首を傾げる。



「さぁ?俺、参加するの初めてだから」

「初めてって……去年までどうしてたん」

「帰って寝てた」