巡逢~茜色の約束~

試合中、バックネット裏にいる連中のことなんかお構いなしに、無我夢中でプレーした。

練習を積み重ねれば積み重ねる程、その成果を感じられる。

それが気持ちよくて、どうしようもないくらい楽しくて。



3年になって、俺達は後輩にレギュラーを奪われないようにと必死だった。

奪われたことは一度もなかったけど、やっぱり後輩の勢いって恐ろしくてさ。

与えられたポジションに必死にしがみついて、ずっとグランドに立ってた。



その必死さが伝わったのかな。

わかんねぇけど、周りの評価は日を追って上がっていった。



そして──そのときはやってきた。