巡逢~茜色の約束~

貰った背番号に、俺達は飛び跳ねて喜んだ。

ただの薄い布の筈なのに、まるで鉛みたいに重かったよ。

……って、それは大袈裟?

でもやっぱり、俺達にとってのそれは、すっげぇ重みのある出来ごとだったんだ。



その試合に出ることは、結局、叶わなかった。

余裕のある展開じゃなくて、最終回で試合が決まる、そんな試合だったから、仕方なかったんだと思う。

それでも、次の試合には出られるように、って、また練習に励んだ。



その努力が報われるまでに、そう時間はかからなかった。

怪我で出られなくなった先輩の代わりに、親友の名前が呼ばれた。

その瞬間、飛び上がったよ。

本当に?って何度も聞き返したら、監督に、お前のことじゃないんだぞ、なんて言われてさ。