巡逢~茜色の約束~

練習は想像以上にきつくて、何度も投げ出したくなったりもした。

だけどその度、親友の存在を支えにして白球を追ってたんだ。



その頃にはもう、両親と顔を合わせることが殆どなくなっていた。

いたっていう形跡はあっても、鉢合わせることはまずない。

避けられてんじゃねえのって冷静に思う程、俺の心は2人から離れてて。

淡い期待を抱くことも、もうなかった。



殆ど毎日のようにある練習。

偶のオフにも、俺達は近くのグランドで走り込んだりキャッチボールしたりで、体を休めることはなくて。

練習終わって疲れて帰っても、素振りは欠かさなかった。

今思えば、かなりハードな生活送ってなぁ。



それだけ練習していれば、自ずと力はついてくる。

5年生になる頃には、2人揃ってベンチ入りを果たした。