言いつつ、キッチンに立ち入ろうとする美生を制止した。

食い下がることのなかった美生は、リビングに戻るなり、テーブルに置いていた反省文を覗き込む。



「わ、千速くん、短時間でこれだけ書いたの?」

「……まぁ。あんま見んなよ、情けねえから」

「えー、ケチ」



ぷう、と口を膨らませて軽く俺を睨む美生に、自嘲気味に笑いながら紅茶の入ったグラスを美生に手渡す。

受け取った美生がソファに座ったので、俺もその隣に腰を下ろした。



「ありがとう」

「……あぁ」



シャーペンの音も、水の音も消えた。

今はただ、心地の良い静寂が俺達を包んでいる。



「……テレビ、つける?」

「……ううん、私はいい」



テレビなんて本当はつけたくないのに、言ってみる。

そしてその答えに、ホッとするんだ。