巡逢~茜色の約束~

俺にはやっぱり、眩しすぎる。



「んじゃ……順番に行くか」

「うん!」



終始笑顔の美生と、館内を巡る。

大きい魚がいる水槽から、小さいものまで。

ゆっくりと、俺達は足を進めた。



「あっ、クリオネ!」

「そっちの水槽にはクマノミもいるぞ」

「わ、可愛い」



子供のように水槽に駆け寄る美生。

その後ろを、半ば保護者の感覚で追った。



「わぁ……」

「好きなのか?モニ」



俺の言葉に、美生が顔を上げる。

その表情は、どこか怪訝そうで。



まさか……。



「……モニ、知らねえの?」



その問いかけにハッとした美生は、ブルブルと首を横に振った。