巡逢~茜色の約束~

そう思ったら、何だか諦めがついた。



「あーもうわかったよ。どこ行きたいんだよ」

「ほんと!?やった!」



俺の言葉を聞いて、美生はまた嬉しそうに笑う。

気晴らしにもなるし、美生がどこに行きたいって言っても、連れて行ってやろう。



そして──昨夜の罪滅ぼしにでもなればいいと。

心のどこかでは、そんなことを思っていたんだ。





「わー!すっごい大きいねー!」

「はしゃぎ過ぎて転ぶなよ」

「大丈夫だよー」



俺の数メートル先ではしゃぐ美生と訪れたのは、電車で片道1時間半程のところにある海辺の水族館だった。



「千速くん、海が見えるよ!」

「……そりゃな。帰り行くか」

「いいの!?」

「行きてえんだろ」