それで赤ずきんに、

「ねえ、赤ずきん。なぜ森の中にはこんなに
綺麗な花が咲き、小鳥の歌声はすばらしいの
に、学校へ行くみたいに真っ直ぐ進んで行く
んだい?」

と問いかけました。
 赤ずきんは、
(確かにそうだ。この綺麗な花を摘んで行け
ばきっとおばあさんも喜ぶに違いない。それ
に摘むだけならそんなに時間はかからない
わ。)
と考えました。
 それで、赤ずきんは横道にそれて花を摘み
始めました。
 一方、狼はその間におばあさんの家に駆け
て行きました。
 そして、家の扉をノックし赤ずきんのフリ
をしました。
「誰だい?」
「私、赤ずきんよ。おばあさん。お見舞いに
来たのよ。開けてくれる?」
「ああ、おばあさん今、体が弱って起きられ
ないんだよ。開いてるから入っておいで。」
 そう言われるか、言われないか。
狼はあっというまに中に入り、おばあさんを
呑み込んでしまいました。
 それから狼はおばあさんの服を取り、すっ
かり変装してしまうと、カーテンを閉めベッ
トに横になりました。 その頃、花をいっぱ
い摘んだ赤ずきんは、やっとおばあさんの家
に向かい始めました。
 そして、部屋の中に入りましたが、いつも
とは違って見えましたし、扉が開けっ放しに
なっている事に気付き不思議に思いました。

「なんか今日は気味が悪いわ。いつも来ると
きはとても楽しい気分になるのに。」

 それから、赤ずきんはベッドのそばによる
と、閉まっていたカーテンを開けました。
 それから、はじめておばあさんを見ること
ができました。
 おばあさんはなんだか変てこな格好で寝て
いたのでこう言いました。

「まぁ、おばあさん。なんて大きな耳をして
いるの?」
 おばあさんはこう答えました。