「今回の囲目総合学校・第六期生における四
大妖精候補者を発表する。」

バッ

 一瞬の沈黙、そして――

「えええっ!!!」
「なんだと?!!!」
「そんなまさかっ!?」

「静粛に!!意見は挙手、指名の後と会則に
於いて決まっている。」

バッ

 一斉に手を上げる一統。

「では、岩渕。」
「ハイ。会長、この候補達には納得せざるを
得ないものがあります。その容姿、性格、知
能、人気。それらを総合し決定されるこの四
大妖精候補達。
確かにトップレベルであることが資料を通し
て理解できます。」
「ふむ、ではこのリストのどこに不服がある
のかね?」
「ええ、それは…」

 岩淵、と呼ばれた彼が、言い淀んでいると、

「ハイ。会長」
「何だ、昆野。まだ、岩淵が述懐中だぞ。」

 すると岩淵。

「いえ、構いません。昆野君お先にどう
ぞ。」
「ありがとう、岩淵君。では、言わせてもら
います。」
「うむ。」
「このリストを見ると、先程の岩淵君の述べ
た通り、かなりの高レベルな候補者が揃って
いる事を汲み取ることが出来ます。
しかし、しかしですよ。この候補者の中に一
人、とても相応しいとは思えない候補者が―
―もちろん、伝統的な観点からすれば、です
がそのような人間がいるかと。」
「ほう、それは誰かね。」
「はい。それは彼ですよ。
そう、"彼"という表現からお気付きかと思い
ますが、その候補者は男です。」
「くっくっくっく、そんなことかね?」
「「か、会長…?」」

 動揺する一統。

「八重樫君。四大妖精に男が含まれてはいけ
ない、と言う会則はあったかな?」
「いえ、ありませんわ。」