教室に着くと、黒板には『座席表の通りの席に座ってとくこと』という文字と、座席表が貼られている。
まずは、教室を一目見渡す。翔らしき人は…いない。
…って、そりぁそうだよ。翔がここにいたらおかしいもん。今頃は、野球が強い高校に入学して、野球部に入部して、楽しく野球してるだろうし。
きっと…、私のことなんか忘れているだろうし。それはそれで少し寂しい気もするけど。
『はぁ…っ』とため息をついて、座席表を見に行く。
席は出席番号順らしく、運が良い私は窓際の一番後ろ。
翔――と同姓同名の人は、私の前の席。
上山だもんね。小学校の時も、席は前後のことが多かったなぁ…
って、ダメダメ。今更翔の事を思い出したって会えるわけがないんだし、翔が私の事覚えてるかさえ、不確かなんだから。
私は新しい自分の席へと歩いて行った。
座ったけど、することがなくて暇。暇つぶしに、中学生の時の友達の美姫にメールする。
美姫はとてもスタイルが良くて、足が長くて可愛くて、まるでモデルさんみたいな人。中学でもすごくモテてた。
でも、彼氏を作ることはなかった。何回も何回も告白されてたのに、美姫は全て断った。
それがどうしてかは私には理解できないけど、それなりに理由があったんだと思う。

