嬉しさのあまり、教室までの道のりが早足になったが
遅刻には変わりない。
小学校の頃と同じく、俺と花菜の席は近い。
でも、花奈は俺に話しかけてくる様子もなく、俺を見ようともしない。
俺は、待ちきれずに話しかけた。
覚えてる?って聞いたら、相変わらずのアホっぷりで少し笑った。
やっぱり…花奈は、変わらない。
変わってない。
花奈は、俺が他の中学に通ってる時も俺の家に来てくれた。
でも、顔を合わせる日はなかった。
花奈と目を合わせると、俺の中の何かが壊れてしまいそうだった。
俺はそれだけ、花奈のことが好きだったし、離れてしまうのは嫌だった。
花奈はさ、俺のこと、待っててくれた?
俺のこと、覚えててくれた?
今まで一日でも、俺のこと思い出してくれた日はある?
こんなことは恥ずかしくて聞けない。
でも間違いなく言えるのは、俺はあの頃と変わらずに花奈のことが
好きだということ。
花奈。
ごめん。 中学の時、一回も会えなくて。
俺、多分逃げてたんだ。
花奈と、今まで通り話せなくなるのが怖かった。
もし俺が花奈に話しかけたら、昔と変わらない笑顔で笑ってくれるのか?

