お、俺のこと…お、覚えてるかって――?
「まさか、し、翔…?」
え、嘘でしょ?
そんなわけないよね。ここでもし、ちこ君が『そうだよ』とか『正解』とか言ったら、驚いちゃう。
「おせーよ」
彼は、ニヒッと笑って昔と変わらない笑顔を向けてくれた。
へ?
今、『おせーよ』って言わなかった?
それって、イコール『あたり』ってことだよね?
でも、この笑顔を見て、私は初めてこの人は翔だと確信できた。
確信したのはいいけど、驚きすぎて言葉が出ない。
「え、本当に? 本当に、翔なの?」
「ああ」
「野球バカの?」
「んだよ、バカは余計」
「ほんっとに本当に?」
「だから、そうだっつってんだろ?」
やっぱり、翔だ。
頬に何かが通る。それが涙だと理解するのには、かなりの時間かかった。
「おいおい、なんで泣くんだよ」
翔が慌てて聞いてきた。会えると思ってなかった。まさか、ここで…
「し、翔ぉぉおー!!!」
そう叫びながら、気付いたら翔に抱きついていた私。
「花奈、俺に全く話しかけてこないし。 忘れられたのかと思って、心配したし。」
忘れるわけ…ないじゃない。
私の脳内は、翔が支配してるんだから。
「あ、あの、会話の途中にごめんね?
二人は、どういう関係で?」
あ、萌の存在を忘れていました…。
ごめんね、萌。
「実は…」

