「じゃあ一度ホテルに向かうわよ。…愛歌を後ろに。」 誰かに抱えられて、車の後部座席に寝かされた。 もう、目を開けるのも億劫になっていた。 「愛歌、着いたわよ。…寝てるの?」 寝てはいないけど、返事をするのが辛かった。 目も開きたくなかったけど、1度だけ開けて、起きていることを示した。 「外の空気を吸いましょ。ホテルの中へ。」 さっきと同じ人に抱き上げられて、どこかに運ばれた。 話の流れ的に、ホテルのロビーだろう。