奇跡の歌姫【下】





でも、輝はずっと私を見てくれていた。


私も輝しか目に入らなかった。


終わっても、目線は外れなかった。



怖くなって、逃げてきたのは…私だ。



鞄は輝に預けてきたから、ハンカチも無い。


顔を洗ったまま、顎から雫が垂れるのも構わず、トイレから出た。


それでも、涙は止まらない。


溢れ出てくる感情も、止まらない。