奇跡の歌姫【下】





「何で、あんな事しちゃったんだろう…。」



手なんて握るつもりなかった。


勝手に体が動いちゃったんだ。



「あの、36番さん。…曲なんですが、この曲の音源が見つからないんです。
曲を変更していただけませんか?」



考えている途中で係の人にそう話掛けられた。

輝が選んでくれた曲を変えるつもりはない。


「…アカペラで歌います。それでもいいですか?」


「それは構いませんが…。
いえ、最後まで、この曲を探します。見つからなかった時は、アカペラでお願いします。」