奇跡の歌姫【下】





『utaさん、そろそろ用意お願いします!』



「行かないと。…今日はただ楽しむ為に歌うから。けーちゃんは指を解して待っててね。」



けーちゃんに背中を押されて、いつも通り踏み出したはずの第1歩は、いつもより軽かった。


ライトに照らされ明るい舞台も、いつも以上にキラキラ輝く。


前回のぎこちない歩き方とは全く違う。


今日は羽が生えたように軽やかだった。


PVを見ている間も、司会者と軽く話している時も。


マイクの前に立った時も。