奇跡の歌姫【下】





「咲ちゃん、おはよう。」



挨拶するだけでも、時間がかかった。




「おはよう!…愛歌、楽しかった?」


「楽しかったよ。…咲ちゃん、昨日はごめんなさい。」




いつもは日向くんの席、そこに移動して、咲ちゃんと向き合った。


こうしないと、咲ちゃんにちゃんと伝えられないと思ったから。