歌い出しは、最悪だった。 声も掠れ、音は外さないまでも、聴いていられるものでは無かっただろう。 これではダメだと思っても、いつもの驚異的な集中は来ない。 本当にもうダメだ、と思った。 両腕を下げ、スカートを握りしめた時に、それに触れた。 硬いビン。