奇跡の歌姫【下】





色んな香水の匂いが混ざり合って、鼻をつまみたくなる室内の奥に進む。


周りからの視線は、見慣れない黒髪に対する好奇心か、それとも新しいライバルに対する敵意か。


それらを無視して、空いていたスペースに衣装用のカバンを置いた。



「どこの国の人?」



そう、少し訛りのある英語で聞かれて、声の方を向いた。