私立 白百合女学園──。 都内とはいえ、民家などあたりに無いような山の中。 鬱蒼と生い茂る深緑と可憐な花たちが彩る、学舎がありました。 明治後期に建てられた、時代遅れの校舎。 校庭に華やぐ色とりどりの植物たち。 そして、穢れを知らぬ少女たちの、賑やかな笑い声───。 この学園は、世間から隔離された乙女たちの、秘密の園だったのです。