『甘いもの、嫌いだから』
『好きなのは、優依が作るやつだけ』
『バレンタイン、ほしいのは優依のチョコだけだから』
彼がついた嘘の裏側。
そこにはあたしへの気持ちが隠れてた。
だからあたしも、チョコに気持ちを忍ばせる。
来年も再来年も、ずーっと先も。
“嫌い”と嘘をつき続けるきみに、“好き”をあげるね。
「……卒業したら大学違うし会えなくなるけど、毎年チョコ作って渡すから!」
「は? 俺、お前と大学同じなんですけど?」
「はああああああああ!??」
穏やかな冬の日。
あたしの叫び声だけが、大きく響いた。
……マリちゃんとヒロトくんにハメられたと気づくのは、その首謀者が隣でにやりと笑う翔だと気づくのは、そう遠くない未来。
おわり



