「おい、肝心な言葉、まだ聞いてないんだけど?」
そう言った翔に、心臓がうるさく騒ぎ出す。
ねえ、期待してもいのかな。
ねえ、言っちゃってもいいのかな。
「か、翔。す、す……」
強く握り締めたせいで、ぷるぷると震える両手。
上手く出てこない声。
昨日考えてきた言葉はもう、一文字も頭になんか残っていないけど。
言いたいのはただひとつ、ただ一言だけ。
「翔、す……っ!?」
「時間切れ。おせえっつーの」
腕を引かれ、飛び込んだ先は翔の腕の中。
耳元で、震えた声が聞こえた。
「期待して、いいんだよな? ……ずっと、好きだったんだよ。ばあーか」



