「好きなもの、そう簡単に変わったりするわけねえだろ」
そう言って、翔はまた次のチョコを口に放り込んだ。
会った時と変わらず、不機嫌そうな顔をしてはいるけど、心なしか頬がゆるんでる。
そんな翔を見て、沸き起こる疑問。
「甘いもの好きなのに、なんで毎年みんなのチョコ受け取ってないの……?」
女子に嘘ついてたってことでしょ?
なんで……?
そんなあたしの言葉に、翔は小さく笑った。
「ばあーか。そんなもん、優依以外からのチョコなんて、ほしくねえからだろ……」
言わせんな、と赤く染まった顔を隠すように横を向いた翔。
あたしの顔も、同じくらい真っ赤だと思う。



