嫌い嫌いも、好きのうち!


 ―――翌日、土曜日。


 来てしまった、バレンタイン当日。


 あたしは今、翔の家のドアの前に立っている。


 生チョコとトリュフ、それからもう一種類、翔が好きなはずのチョコレートが入った紙袋を持って。


 さっきからずっと、心臓が尋常じゃないスピードで動いてる。


 ……昨日、マリちゃんに翔に告白すると宣言して、夜はずっと告白の言葉を考えていた。


 といっても、いい言葉なんか思いつくはずもなくて、用意したのはシンプルな言葉だけだ。


「ああー……。口から心臓飛び出しそう」


 昼の10時、あたしの部屋から翔の家の玄関が見えるんだけど、出かけた様子はなかったから、きっと家にいるはず。


 インターホンを押せば出てきてくれると思うんだけど、勇気が出なくてかれこれ10分間はここで突っ立ったままだ。