僕は顔を上げると、彼女はスケッチブックを両手で抱えながら、僕の絵を見ていた。 「どうかした?」 「平坂くんの描く空は、本当に空らしいね」 「空らしい?」 そんなこと言われたのは初めてだ、と肩をすくめる。 彼女は変わらない声色で続けた。 「いえ、真剣にそう思うの。こう、なんか……、青だけじゃない、色んな気持ちを、色んな色を忍ばせた空、そんな気がする」